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LIFE ESSay 22『幸福度ランキング』は信用できるのか?APR 1.2025-Mor.Tuesday

「世界幸福度ランキングで日本は47位」

——そんなニュースが毎年のように飛び込んでくるたびに、私はなんとなく心の奥でざわつく。

「そんなに不幸かな、私たち?」

もちろん、生きづらさを感じる瞬間はたくさんある。物価は天井知らずに上がり続け、給料は未だに上がらず、未来は不透明。それでも日常的には、小さな幸せがあちこちに転がっている。

朝、パンがきれいに焼けたこと。
電車で席を譲ってもらったこと。
誰かのさりげない「ありがとう」に救われたこと。

そんな“何でもない幸せ”を、このランキングはきちんと見ているのだろうか?


そもそも「幸福」って何?

ランキングは、GDP(国内総生産)、社会保障制度、自由度、他者への信頼感……といった“客観的な指標”をベースに算出されている。けれど、それはあくまで「数字」であって「感情」ではない。

日本は“空気を読む国”だ。

「我慢することが美徳」「本音は隠すべき」そんな文化のなかで、“幸福”を素直に表現することが難しい。

だから、アンケート形式で「今、あなたは幸せですか?」と聞かれても、つい「まあまあですかね」と答えてしまう。

けれど、それは本当に“不幸”なのだろうか?


幸せは、感じる力で決まる

隣の国が1位でも、後ろの国が50位でも、それは“その国の幸福”であって、“私の幸福”ではない。

本当に大切なのは、「自分の暮らしを、誰の基準で測るか」だ。

誰かが決めたランキングより、
自分が感じた“今日の小さな幸せ”に、ちゃんと目を向けられているかどうか。

その感度こそが、きっと「幸福度」の真の指標になる。


エピローグ:

「幸せそうに見える国」が幸せとは限らない。
「不幸そうに見える国」が本当に苦しいとは限らない。

ランキングに一喜一憂するより、
今日、あなたが“心から笑えたか”を、自分の中の尺度にして生きていこう。

それが、本当に“自分らしい幸せ”というものだと私は思う。