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LIFE ESSAY 13『出会いは偶然』じゃなくて、だいたい計算されている MAR 19.2025-Mor.Wednesday

「こんな偶然ってある?」


そんな出会いの瞬間を、誰しも一度は経験したことがあるだろう。

朝の通勤電車、たまたま座った隣の人と話が弾んだ。


お気に入りのカフェで、何気なく目が合った人と、何とも言えない既視感を覚えた。


友達の紹介で出会った人が、不思議なくらい価値観の合う相手だった。

「運命かもしれない」
そう思いたくなるのが人間の性(さが)だ。

でも、本当にそれは偶然なのだろうか?


偶然に見せかけた「必然」

私たちが「偶然」と信じているものの多くは、実は緻密に計算された「必然」だ。


そもそも、人は全く異なる世界に住む人とは、なかなか出会えない。

たとえば、住んでいるエリア
同じ街に住んでいる人同士が出会う確率は圧倒的に高い。


だからこそ、都会に住んでいる人の恋愛観と、地方で育った人の恋愛観が違うのは当然だ。


「東京に行ったら恋人ができた」という話は、単純に“出会いの確率が上がった”だけかもしれない。

次に、環境
趣味のサークル、仕事、通うカフェ、友達のつながり――。



すべて、無意識のうちに「価値観の近い人たち」が集まるシステムになっている。

ある程度、似たもの同士が出会いやすくなっているのだ。


だから、結局「偶然」と思える出会いも、その人が生きてきた選択の延長線上にある。


恋愛は「運命」か、それとも「確率論」か?

恋愛においても、「運命の人に出会うかどうか」は、ただの確率論に過ぎないのかもしれない。

「この人に出会ってしまった!」


それは、あなたが普段どんな場所にいるのか、どんな選択をしてきたのかによって大きく左右される。

たとえば、カフェが好きな人は、カフェ好きな人と出会う確率が高い。



読書が好きな人は、書店や図書館で同じ趣味の人とつながりやすい。


仕事が忙しい人は、職場での出会いが多くなる。

これはすべて、「出会いの場をどう選ぶか?」という選択の積み重ねだ。

つまり、恋愛において「運命の出会いを待つ」よりも、「自分がどんな環境にいるか」を意識する方が、はるかに出会いの精度は上がる。

運命は、待つものじゃない。
自分で作りにいくものなのだ。


「計算された偶然」を作り出す方法

では、私たちはどうすれば、より良い「偶然」に出会えるのか?

✔ 環境を変える
→ 普段行かない場所に行ってみる。新しい趣味を始めてみる。違うタイプの人と話してみる。
 すると、今までとは違う人たちと出会う確率が一気に上がる。

✔ コミュニティを意識する
→ 「結婚したい」と思うなら、結婚に前向きな人が多い場所に身を置く。
 「自分の価値観に合う人と出会いたい」なら、同じ興味を持つ人がいる場所へ。

✔ 行動を増やす
→ 「出会いがない」と言いながら、毎日同じルーチンを繰り返しているなら、それは当然。
 環境を変えない限り、違う人に出会う確率は上がらない。

出会いとは、運命ではなく、確率の積み重ねなのだ。


読者へのメッセージ

「運命の人と出会いたい」
「偶然の出会いにときめきたい」

その気持ちはとてもよくわかる。

でも、運命の人は、ただ待っていても現れない。



それは「自分が選び取る」ものだから。

恋愛において、一番の選択肢は「どこで、どんなふうに生きるか」。
それによって、あなたの出会う人も、恋愛の質も、すべてが変わってくる。

だから、もし出会いを求めるなら。
ただ待つのではなく、「自分の人生の選択」を意識してみてほしい


そして、気づいてほしい。


あなたが「偶然」だと思っているその出会いは、


実はあなた自身が作り出した「必然」なのです。