今回はモンゴルには昔からホーミーと言われる民族音楽があり、
それらは風の音、神秘の響きが原点と言われています面白い真実のお話しです。
今回は歌手のユーミンに纏わる彼女の歌声に付いてお話ししたいと思います。
その前に宜しければ偶にはユーミンの歌をお聴き下さい。
初めて彼女がホーミーを生で聴いたときには味わったことのない感覚に衝撃を受けたそうです。
足元からゴゴゴと伝わってくる太いうなり声のような低音と頭上でウィーンと響く金属音のような高音
歌い手の体そのものが楽器になり、本能に訴えかけるような音色が空間に広がるのです。
周りの空気が震えているのを肌で感じました。
喉を絞って出す低いほうの音はずっと一定の音階でベースの役割を果たし、
その音を口腔内で共鳴させて出す高いほうの音は音階が上下にゆれるので、メロディが生まれます。
ホーミーには人の心を癒す効果があり、「幸せを呼ぶ音楽」だと言われていて、出産前の女性に聴かせると安産になるそうです。
それは人間だけではありません。
ホーミーの歌い手は動物の心と通じ合うことができるのです。
例えばモンゴルでは、産後の母ラクダが出産の痛みにショックを受けて、
子ラクダにミルクを与えようとしないことがあります。
そんなとき母ラクダのそばでホーミーを歌って聴かせると、
母ラクダは気持ちが安らいで涙を流し子ラクダにミルクを飲ませるようになるらしいです。
草原に伝わる遊牧民の知恵です。
「ホーミーの起源は、はるか昔にモンゴル西部のアルタイ山脈で、谷間を吹き抜ける風の音を人が真似
して生まれたという説があります」。
日本の音楽界にも根強いホーミーファンがいて
ユーミンこと松任谷由美さんもその一人です。
かつてNHK・BSのドキュメンタリー番組の企画でユーミンがホーミーの名人に会うためにアルタイ山脈
を訪れたことがありました。
<番組の概要>
初回放送1996年11月23日。後に2022年7月28に再放送。
モンゴルには「ホーミー」という不思議な伝統音楽がある。
不思議は、「病人など人々の心を癒す」ことと
「一人の人間が同時に2つの高さの音を出す」ことの2つである。
その旅に同行していた文明科学研究所所長の大橋力さんの分析によれば、
ユーミンとホーミーの名人の歌声は、
びっくりするほど波形(周波数)が似ているのだそう。
どちらの声にも「倍音」が含まれ人の耳には聞こえない高音域の超音波(超高周波)を発しているんだ
そうです。
(注)超高周波とは人間が聞こえる音域(2万Hz)を遙かに超えた(約5万Hz位)の音域の音で
人間の耳には到底鼓膜が振動しないので聞こえませんが、
それらは皮膚感覚を通して体に感じます。
この高音域の音が人の脳のある部分に作用して快楽時に出るアルファー(α)波を引き起こす。
それが心身の安らぎにつながり、自然治癒力が上がって元気になれるのだとか。
つまり、人間の音楽の原点とは自然の風の音や神秘の音といえます。
特に森には森羅万象の音(自然音)か超高周波で流れています。
人間も自然音が聞こえる環境作りが不可欠であると思いますね!
目に見えない力が音という力を借りて歌うことでユーミンは誰からも愛される訳がここにあります。