
恋愛にルールなんてあるのだろうか。
「こういう人と付き合ったほうがいい」「このタイミングで告白するべき」「愛情は徐々に育つもの」――
そんな言葉を信じてみても、心はいつも、その枠を飛び越えてしまう。
好きになってはいけない人を好きになったり、まったく眼中になかった相手に突然心を奪われたり。
一緒にいると楽しいし、価値観も合うのに、恋愛感情は芽生えない。
逆に、何もかも違うのに、一度惹かれてしまうと、どんなに頭で否定しても感情が言うことを聞かない。
恋愛とは、本当に不思議なものだ。
ある女性は、友人に「その人はやめたほうがいい」と忠告されていた。確かに、恋人としては不安要素が多かった。
でも、彼のさりげない優しさや、時々見せる不器用な愛情が、彼女の中でどうしても引っかかってしまう。
冷静になろうとすればするほど、その存在が大きくなる。
また、ある男性は、何年も友達として付き合っていた女性に対し、ある日突然「この人とずっと一緒にいたい」と思うようになった。
特別な出来事があったわけではない。
でも、何かのスイッチが入ったように、彼女を異性として意識し始めてしまった。
感情というのは、本人でさえ制御できない。
だからこそ、恋愛には「正解」がない。
どんなに経験を積んでも、「今回はうまくやれる」という保証はないし、どれだけ慎重に選んでも、心はその計算をあっさりと裏切る。
AIが相性のいい相手を教えてくれる未来が来るかもしれない。
でも、そんな時代になっても、きっと人は 「理屈では説明できない感情」 に惑わされ、選ぶはずだ。
恋愛 IQ 99.9 なんていうけれど、結局のところ、恋愛の本質は 0.1%の確率ではなく、99.9%の感情 でできているのかもしれない。