「明日、引っ越すんだよね。」
え？今、言う？
仕事帰りにふらっと立ち寄った居酒屋。久しぶりに会った友人が、唐突に言った。
「え、転勤？」
「いや、なんか飽きたからさ。」
「……もうちょっと早く言えなかったの？」
唐突すぎる。せめて1ヶ月前、いや、1週間前に言ってくれれば、もう少しちゃんと送別会的なものもできたのに。
こういう 「タイミングを間違える人」 は意外と多い。
例えば、会議が終わった瞬間に「あ、そういえばこれやらないとまずいです。」と言い出す後輩。
レジで精算が終わったあとに「すみません、クーポン使えます？」と聞くおじさん。
誕生日の翌日に「昨日だったね、おめでとう！」と言ってくる友達。
もうちょっと早く言えば、全てがスムーズに進んだのに。なぜ今？そういう私も、やらかしたことがある。
大学時代、片思いしていた人に 「ずっと好きだった」 と勇気を振り絞って伝えたのは、卒業式の日だった。
相手は苦笑いしながら「もう少し早かったらね。」と言った。……遅かった。遅すぎた。
人はなぜ、大事なことほど 言うタイミングを間違えるのか？
- 気まずくなるのが嫌で、後回しにする
- 「まだいいや」と思っていたら、いつの間にか遅くなる
- 相手の反応が怖くて、言い出せないまま時間が経つ
でも、タイミングを間違えると、どれだけ本気の言葉でも 「もっと早く言えよ」 で片付けられてしまう。
想いはあるのに、伝えるのが遅いだけで、チャンスを逃してしまう。じゃあ、どうすればいいのか？
答えはシンプル。
「言うべきことは、言うべき時に。」
好きなら、まだ間に合ううちに言う。
謝るなら、傷が深くなる前に言う。
引っ越すなら、できれば1ヶ月前に言う。
「それ、今言う？」と言われる人生よりも、
「言ってくれてよかった」と言われる人生のほうが、きっと心地いい。
