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「寄り道人生」

65歳の惣一朗は、長年住み慣れた大磯の町で、毎日同じ道を散歩し、穏やかな時間を過ごしていた。 彼はかつて建築デザイナーとして名を馳せたが、今でに二度の離婚を繰り返し、家庭も家族や孫も失くした生活に、ただひたすらに自身の希望に向かって思いを馳せ、黙々と仕事をする事だけが、日々の彼の生活の中心となっていた。

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日々、浜辺を散歩しながら思いを馳せる・・・

それも好きな仕事だけをして過ごしているこの日々が、彼にとっては幸せだと感じていたが、どこか満たされていないものを同時に感じていた。

ある日、彼が大磯の海沿いを歩いていると、一台のタクシーが彼の目の前に休んでいる。 タクシーの運転手は、車に乗っていた60歳の女性、雅子を彼に紹介した。雅子はかつてこの町で過ごした思い出を振り返るため、惣一朗と一緒に道を歩きながら町を案内してほしいと頼んだ。

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彼らは思い出を振り返りながら穏やかな風景の中を歩く

惣一朗は戸惑いながらも、雅子の頼みに応じることにする。 雅子は惣一朗に、大磯の思い出の場所や彼女がかつて大切にしていた人々の話を始めるが、少しずつ明かされていく、若かりし頃の恋愛、痛めた友人、そして家族との別れ。惣一朗は彼女の話を聞きながら、自分の人生と重なる部分が多いことに気をつけて始めていた・・・

「人生ってね、道を向くことで本当の幸せに気をつけよう。」その瞬間、健一は、自分がこれまで何を見落としていた痛かったものではなく、今あるもの、そして新たに出会う人々との時間こそが本当の財産だと。

2人は夕日の中で、静かに佇む大磯の浜辺で別れを告げたが、惣一朗の心には新たな希望が芽生えていた。 彼はこれからも道に向かいながら、自分の人生を探求し続けることを決意した。

エピローグ

惣一朗は、過去に痛かったものに囚われず、未来に向かって歩き続ける決意をした。

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夢を諦めることなく、自分の心に宿る希望を再び見据えた段階。新たな挑戦と光がある。 彼は、今度こそ最後までその光を追い続ける。 人生は一時的に終わらない。 まだ、彼には「青春」が残っているのだ・・・