正月の三が日も終え今日から仕事始めをする方もチラホラとお見受け致します。
今年、2022年は寅年ですが、本来の干支でいうと壬寅(みずのえとら)と言われ、寅年であ
ること以外にも込められた意味があります。
干支は「十干」と「十二支」の組み合わせでなりたち「十二支」はご存知の通り、
子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥を12種類の動物になぞらえたものです。
干支とは本来「十干十二支(じっかんじゅうにし)」を略した呼び名で、「十干(じっか
ん)」と十二支を組み合わせたものです。
「十干」とは、甲、乙、丙、丁、戊(ぼ)、己(き)、庚(こう)、辛(しん)、壬(じ
ん)、癸(き)の総称で、もとは1から10までものを数えるための言葉です。
2021年は十二支でいうと「丑年」ですが、十干でいうと第8位を表す「辛」の年。
干支はこれらを組み合わせた「辛丑(かのとうし)」でした。
つまり、2022年は十二支でいうと「寅年」、十干では「壬」となり干支は「壬寅(みずのえ
とら)となるのです。
「寅」はもともと「演」が由来といわれ「人の前に立つ」、演と同じ読みの「延(えん)」か
ら「延ばす・成長する」という意味を持っています。
この2つの組み合わせである壬寅には、「新しく立ち上がること」や「生まれたものが成長す
ること」といった縁起のよさを表しているといえそうです。
2022年は60年に1度の「壬寅」と言われ寅年のなかでも、特別な年となります。
「壬(みずのえ)」とは、ゆったりカーブを描きながら流れる大河を表しています。
加えて「決断」の意をもつ「寅」が合わさった2022年は安定性や落ち着きをもちながら
も、はっきりと決断できる年。
心にゆとりをもち、おおらかに物事を見定めることができるでしょう。
今回、虎にまつわることわざ・慣用句・ことばの例を挙げてみましょう。
■虎視眈眈(こしたんたん)
相手に隙があればつけ入ってやろうとじっと様子をうかがい、機会をねらっていること。
「虎視」は虎が獲物を狙う鋭い目つき。「眈眈」はじっと見下ろすこと。
■虎の尾を踏む
この上もなく危険なことのたとえ。本来は「危うきこと虎の尾を踏むが如し」。
■虎を野に放つ
災いのもとになる危険なものを野放しにすることのたとえ。本来は「千里の野に虎を放つ」。
■騎虎(きこ)の勢い
物事に勢いがついて途中で止めにくいこと。また、止めてしまうとむしろ害を受けること。
■虎に翼
もともと強いもの、勢いのあるのもに、さらに強いもの、勢いのあるものが加わることのたと
え。
■虎の威を借る
狐権力や権勢のある人の力をかさに着ている人のたとえ。
■虎になる
ひどく酔っ払うこと。また、酔っぱらうと強気になること。虎は酔っぱらいの比喩。
■張り子の虎
威勢を張って強そうに見せかける人。また、首を振る癖のある人のこと。
■虎を描きて狗(いぬ)に類す。
見事な虎を描こうとしてくだらない犬の絵になってしまうことから、凡人が優れた人のまねを
して軽薄になってしまうこと、立派すぎるものや大き過ぎるものを求めたがために失敗してし
まうことのたとえ。
■虎は死して皮を留め 人は死して名を残す。
虎が死んだあと美しい毛皮を残すように、人もまた死んだのちに立派な名を残すよう心がけよ
ということ。
■虎の巻
芸事などの秘伝をしるした書や、講義などに用いる種本のこと。また、教科書の内容を簡単に
解説した参考書、あんちょこ。中国の兵法の秘伝書「虎韜巻(ことうのまき)」に由来。
■虎の子
虎は我が子をとても大事にすることから、非常に大切なもの、貴重なものをいう。
■虎穴に入らずんば虎子を得ず
虎の棲む穴に入らなければ貴重な虎の子を得ることができないため、何事も危険を冒さなけれ
ば成功を収めることはできないというたとえ。
■虎は千里往って千里帰る
虎は1日に千里ほどの遠方まで行くが、子を思いその千里の道を帰ってくることから、子を思
う親の情愛がきわめて強いことのたとえ。
■虎の子渡し
苦しい家計のやりくり、算段のたとえ。
本当に「寅」という文字が持つ意味は奥が深いですよね!