
毎年、3月11日は東日本に於ける巨大地震に津波に原子量発電所の大爆発を同時に起こり未曽有の自然に終える災害が起こった日です。
今日はこれにちなんで、スポットで、この時期には毎回、忘れない様にニュースであらゆる角度から放映されます。
そんな中でも過行く時間のなかで、色んな事が取り上げられていました。今回はそんな中である企業の事をお伝えできればと思い書かせて頂きました。
それでは、是非お読み下さい。
「ディズニーランドが28年間、決して見せなかったもの。」
東京ディズニーランドは、夢の国。
そこに一歩足を踏み入れれば、現実の悩みも、悲しみも、すべてが魔法のように消えていく。
しかし、2011年3月11日、現実が夢をのみ込もうとした瞬間があった。
あの日、大地震が起きた。
大きな揺れが襲った時、アトラクションの揺れと勘違いした人もいたかもしれない。
けれど、止まらない振動、広がる不安、泣き叫ぶ子供たち。
来園者は次第に「これが現実なのだ」と理解し始める。
10万人以上がいる園内でパニックが起きるのは、時間の問題だった。
だが、その瞬間、ディズニーは「夢の国」であり続けることを選んだ。
それは、単なるエンターテイメント企業ではなく、究極のホスピタリティと安全の哲学を持った組織であることを証明する一日だった。
「パニックを止めた40秒後のアナウンス」
震災発生から 40秒後、ディズニーランドに響いた声があった。
「皆様にお知らせいたします。ただ今、地震がありました。
建物のそばにいらっしゃる方は離れて、広い場所でお待ちください。」
その声が流れた途端、空気が変わった。
キャストたちは冷静に行動を開始し、「頭を守ってしゃがんでください!」と叫びながら、ゲストに駆け寄る。
「ここにいれば大丈夫」
そう思わせるだけの「安心感」が、ディズニーのキャストにはあった。
そして、この安心感こそが、70,000人もの人々を混乱させず、安全に誘導できた理由だった。
「想定外を、想定内にする」
なぜ、ディズニーはこれほど迅速に対応できたのか?
それは、年間 180日間 にわたる防災訓練を行い、震度6の地震と10万人の来場者の避難を想定した準備をしていたから。
✔ 5万人が3日間過ごせる食糧を備蓄
✔ エリアごとに防災リーダーを配置
✔ どんな状況でも「ゲストを第一に動く」ルールを徹底
ディズニーにとって、夢の国とは、ただの「楽しい場所」ではない。
「絶対的な安心の上に成り立つ幻想」である。
だからこそ、想定外を作らない。
その哲学が、この日、試された。
「キャストの自主判断が生んだ奇跡」
興味深いのは、キャストたちが「会社の指示を待たずに、自ら判断して動いた」ことだ。
✔ ぬいぐるみ「ダッフィー」を防災頭巾代わりに配布
✔ お土産用のクッキーやチョコレートを無料で提供
✔ ビニール袋を雨カッパ代わりに配る
✔ 子供たちには「シャンデリアの妖精だから守る
よ」と声をかけ、恐怖心を和らげる
この日、ディズニーは「マニュアルではなく、心で動く組織」であることを証明した。
「28年間、開かれることのなかった扉」
しかし、最も衝撃的だったのは 「バックヤードの開放」 だった。
ディズニーランドのバックヤードは、配線や基盤がむき出しの工場のような場所。
そこは「夢の国」の裏側であり、決して来園者に見せることはないはずだった。
だが、この日、ディズニーはそのルールを破った。
「ゲストの安全を第一に考えるなら、この扉を開けるべきだ。」
その決断によって、ディズニーランドとディズニーシーを結ぶ通路が開かれた。
そして、その通路に立っていたのは、両サイドに並んだキャストたち だった。
ペンライトを持ち、「夢の国」の魔法が解けないように、光の道を作っていたのだ。
それは、ただのバックヤードを、「新たな夢の通路」に変える演出だった。
その瞬間、涙を流した人は多かった。
震災という現実の中で、ディズニーは最後まで「夢の国」であり続けたから。
「企業の哲学が、試される瞬間」
ディズニーランドは、「地震対応マニュアル」を作っていたわけではない。
彼らが作っていたのは、「全てはゲストのため」という企業文化 だった。
その哲学が、
スタッフ一人ひとりの中に浸透していたからこそ、
この日、ディズニーランドは「本物の夢の国」であることを証明したのだ。
✔ 想定外を想定内にする備え
✔ マニュアルに縛られない判断力
✔ 個々のキャストが自主的に動く文化
これらがなければ、この日の「奇跡」は起こらなかっただろう。
「私たちは、どんな仕事をしているのか?」
この話を聞いたとき、私はふと考えた。
「自分が働く場所は、ここまでの覚悟を持っているだろうか?」
仕事とは、単に「お金を稼ぐ場所」ではない。
それは、「何を大切にするのか」を、毎日実践する場だ。
ディズニーランドのキャストは、「夢を守る」という使命 を持っていた。
では、私たちは?
私たちの仕事には、どんな「哲学」があるのだろうか。
「夢の国」だからこそできたことではない。
どんな職業であっても、
本気で「誰かのために働く」という意識があれば、きっと、人の心を動かす仕事ができるはずだ。
それをディズニーが教えてくれた。