あくまでも「仕事」を離れた場面で楽しく書く「ショートストーリー」です。たまには自身で出文章を書いてみたいと思いチャレンジした短くも「男と女」の人生に起こる機微の物語。
彼は『好きだ』と嘘をつき、彼女は『嫌い』と嘘をついた。
彼の言葉は真実で、彼女の拒絶は迷いを含んでいたが、二人の会話はまるで鏡のように反射し合いその言葉の裏に真実が隠されていた。
彼は彼女が覚えておいてほしいことをすぐに忘れてしまう一方で、彼女は彼が忘れてほしいと思うことをいつまでも覚えている
二人の記憶はまるでパズルのピースのように合わず、そのギャップが二人の距離を広げる。
彼は純情を隠すために言葉を装うも、彼女は変態を隠すために純情を装った。
彼の笑顔の奥には少年のような純粋さがあり、彼女の微笑の裏には大人の知恵が隠れていた。
彼女は自分の彼が信じられず、彼は彼女の周りの男たちが信じられない。
互いの疑念は愛の鎖を試す試金石となり二人の関係を揺さぶった。
弱い彼を強くするのが良い彼女の使命と思うが、強い彼女を弱くするのが良い彼だと思い続ける。
彼は大人のフリをした少年でありつづけ、女は少女のフリをした大人を演じ続けていたが、
ある時仮面を外す瞬間に、二人は真実の愛を見つけた。
彼は彼女を愛した事を後悔し、彼女は彼の愛を受け入れたことを後悔する。
過去の選択が未来に影を落とすが、その影の中にも希望の光が見える。
男は恋をして強くなり、女は恋をして弱くなる。男は愛して弱くなり、女は愛して強くなる。
二人の心は愛という名の旋律を奏でその調べは終わりのない物語を紡ぎ続ける。
男と女の違いは、愛と記憶、嘘と真実、強さと弱さの微妙なバランスの中で紡がれていく。
その物語は、永遠に続く恋愛の神秘を映し出しているかのように・・・