お金があるというのは、どういうことなのか。
それは、人間の価値を試されることに他ならない。
お金があることで見える世界があるのに、お金によって見えなくなる世界ものもある。
前島拓也は、その両方を知り尽くしていると言っても良い男である事には間違いない。
十代で起業し、二十代で事業を歩み、三十代で素数千億という途轍もない資産を作った男。
数百億円を投じた豪邸、スーパーカー、プライベートジェット、世界中の名画。それらはすべて、彼にとって「投資」と言う力眼で全てを推し量る術は只者ではない。そこにある物は彼にとってのコンテンツとは只一つ「価値を生むもの」だった。
「金は使うことで初めて意味を持つ」
彼はそう言い切る。
お金を本気で使うことは常に本気で有り覚悟だ。
世の中に還元し、新たな流れを生み出すことが、本来の自分の使命だと信じていた。
SNSに投稿すれば、羨望のコメントが溢れ、テレビ
に出れば「成功者」として持て囃される日常を横目で見ながら常に彼の脳裏には「投資対象」の獲物を探し続けている。そんな時だった。
ふと、彼は宇宙へと旅立った。
青く輝く地球を窓越しに眺めながら、彼はふと、自分が何のためにここにいるのかを考えた。
彼はこれまで、あらゆるものを買ってきた。
地球に残したものを思い出すように、それらが一瞬、遠くかすんでいるような感覚に襲われた。
「俺は、本当に価値のあるものをずっと探し続けてきたのか？」疑問でもなく不安でもなく、純粋に無邪気な心で言い放った。
お金を使うことが、自分の人生の証明だった。
宇宙から戻ってきた彼は、以前のように豪華な生活を続けていた。しかし、彼の視点は少しづつ変わって行った。
消費だけするだけでは、何かが足りない。
金を使うことは、手段でしかない。
その先にどう考えられるか、それこそが本当の価値があるのかどうか。
彼は、子どもたちの未来に投資を始めました。
宇宙への挑戦を続ける若者を支援し、新しいビジネスに資金を投じました。
然し、彼の生き方には賛否があった。「ただの浪費家だ」と笑う者もあれば、「夢を見せてくれる」と称賛する者もいた。
確かに、彼はもう他人の評価を気にする、次元には既に居なかったように見えた。
お金は、使えば消えていく。ただし、その使い方次第で、新しい未来を見据えて彼は、自分が本当に大切なことを見つけられないかもしれない。
そして、今日もまた、彼は金を使う。それが、彼にとっての「生きる証」だから。
あとがき
著者はこれまで、お金を持つ者、持たざる者、それぞれの生き様を見てきた。
お金があるからこそできることがある。
しかし、それは「ただの贅沢」に終わることもあれば、「次の時代を創る力」となることもある。
何のためにお金を使うのか。それを間違った者たちは、お金とともに消えていった。
それでも、本当に価値のあるものを見つめ、お金を「生きた力」として使えるだけが、次の未来を創ることができる。
自分自身に、賛否はあるだろう。そして、それを理解した者だけが本当に「お金を持つ価値がある人間」なのだろう
私なら、そのお金をどう使うか？考えたとき、人間としての「品格」が試されるのだろうな・・・
（完）
ハッシュタグ
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