プロローグ
村瀬修一(78歳)は、「最後のクエスト」の予想を求めて、かつての親友・西條浩一から届いた一通の手紙に導かれ、古びた図書館「記憶の書庫」に足を踏み入れた。
「もし、過去と未来が錯綜する回廊が存在するのか?」
西條が残した言葉は、かつて二人がやがてゆっくりとした空想の話だった。 。
本編
記憶の書庫
「またここに戻ってくるとはな……」
西條とともに通い詰めたこの場所。あの頃はただの空想話だった「当時回廊」が、今ここに存在するのだろううか?
手に取った一冊の古書――それは、未来の自分が書いたはずの未完の物語だった。
「……これは、私の筆跡か?」
ページをめくると、そこには自分がまだ経験していない出来事が詳細に綴られていた。
そして、最後のページにはこう記がされていました。
「時の回廊への鍵は、かつての記憶の中にある」
その瞬間、修一の脳裏にある光景が目に浮かぶ。 西條が何度も話していた、都内にひっそりと残されたビル。 その場所こそが、「時回廊」の入り口だというのか――?
時の回廊へ
修一は夜中に市内を歩いていた。
目的地は、かつて西條が「時の回廊」の入り口だと話していた場所。
そこに建つビルは、周囲の近代的なビル群の中で、時間に残されたように静かに佇んでいた。外壁には無数のひび割れが走り、看板の文字は風化され、過去に取り残されているた場所のようだった。
「本当にここに何かがあるのか?」
半信半疑のまま、ビルの奥に進んで、そこには一枚の異質な扉が。
――その扉だけが、時代の流れに囚われていないかのように、昨日作られたばかりのように綺麗な状態だった。
修一は深呼吸し、扉に手をかける。
ギィ……
扉を押し開けた瞬間、彼の視界が揺れる。
まるで深い水の中に沈むような感覚に襲われ――
目の前にあったのは、昭和の街並みだった。
過去と現在の交差点
修一の目に広がるのは、懐かしき昭和の風景。 通りを駆け抜ける子供たち、焼き鳥の煙が立ち並ぶ屋台、路地裏の古びたポスター――すべてが過去の記憶そのままだった。
「……嘘だろ」
信じられない光景に言葉を修一。
そして、その目の前に立っていたのは――怯えた日の自分だった。
学生服を着た少年――かつての村瀬修一。 そして、そのそばには、危険日の西條浩一がいる。
「修一、あなたもこの世界のことを信じるか?」
勇気ある西條が、今の修一に語りかけた。
しかし、修一が声を発しようとした瞬間――
街の空が歪み始めました。
建物が揺らぎ、人々の姿が薄れ、まるで映像が乱れるかのように過去が崩れ始める。
「この世界は……まだ終わってない?」
そして、修一の耳元で、誰かの噂が聞こえました。
「選択……未来を変えるか、このまま歴史に通るか」
これは、本当に過去なのか? 緊急
、未来に託された『選択の物語』なのか――?
次回予告『約束の行方』
修一は過去の西條と接触を試みる。 しかし、過去の彼は修一の言葉を信じない。
過去と現在が交錯する中で、修一が選ぶべき道とは?
「未来は変えられるのか、当面決まっているのか――」