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PARODY Essay『MAKE EARTH GREAT AGAIN ~トランク大統領と世界制覇の逆転劇~』

世界を一つに――架空のカリスマリーダーが壮大なビジョンを掲げ、未来への希望を語る。華やかな舞台と熱狂する群衆、光輝く世界地図が象徴する、新たな時代の幕開け。

第7章:メキシコ湾をアメリカ湾に! ~史上最大のリブランド計画~


「湾の名前が変わるだけで何が変わる?」

ホワイトハウスの執務室。

トランプ大統領は地球儀を眺めながら、にやりと笑った。

「トランク、見ろ!ここに”メキシコ湾”と書いてあるな?」

「はい、それがどうかしましたか?」

「いや、これはおかしいだろう!なぜメキシコの名前がついてる?湾のほとんどはアメリカの沿岸にあるのに!」

「……確かにアメリカ側の海岸線も長いですが、それだけの理由で名前を変えるのは……。」

「いや、変えるべきだ!”アメリカ湾”だ!響きも力強いし、偉大な国の名を冠するにふさわしい!」

「……そんなことを言ったら、カナダが”カナダ湖”(五大湖の一部)を主張するかもしれませんよ?」

「それはダメだ!五大湖はアメリカのものだ!」
「えっと……半分はカナダですけど?」

「……うるさい!とにかく、”メキシコ湾”は”アメリカ湾”にする!」

こうして、**「メキシコ湾改名計画」**が始まった――。


「名前を変えるには?」

側近たちは頭を抱えていた。
「大統領、”メキシコ湾”は国際的に認知された名称です。変えるには、地理学者や国際機関の承認が必要です。」

「そんなのいらん!Twitterで発表すれば、それが公式になる!」
「……。」

「よし、今すぐツイートだ!」

“今後、メキシコ湾はアメリカ湾と呼ぶ!我々が世界をリードする!”

すると、即座にメキシコ政府が反応。

「トランプ大統領、何を言っているんですか?これは国際問題です!

トランプは笑った。
「なら、メキシコもアメリカの一部になればいい!」

「それは絶対にありえません!」


「リブランド作戦開始!」

名前を変えるには、国際的な認知が必要だ。

そこでトランプ陣営は、”メキシコ湾”を”アメリカ湾”にするための大々的なマーケティング戦略を打ち出した。

① Googleマップを書き換える
 → トランプの支持者が地図アプリに”アメリカ湾”のタグをつけ始める。

② 観光キャンペーンを実施
 → 「アメリカ湾へようこそ!」と書かれた看板をフロリダ沿岸に設置。

③ 新たな観光名所を創設
 → 「アメリカ湾リゾート」を開発し、世界最大のゴルフコースを建設。

④ ハリウッド映画のプロモーション
 → 「アメリカ湾の伝説」という映画を製作し、メキシコ湾を忘れさせる計画。
トランクは呆れていた。

「まるでディズニーランドのアトラクションみたいですね……。」

「そうだ!メキシコ湾に”アメリカ・ウォーターパーク”を作るのはどうだ?」

「もうやめてください……。」


「メキシコ、反撃に出る!」

当然、メキシコ政府は黙っていなかった。

「アメリカが勝手に湾の名前を変えるなら、我々も”ニューヨーク”を”メキシコ・ノルテ”に改名します!」

「なんだと!?」

「さらに、テキサス州を”メキシコ領テハス”と正式に呼ぶことにしました!」

「ふざけるな!テキサスはアメリカの誇りだ!」

「じゃあ、メキシコ湾もメキシコの誇りです。」
トランプは激怒した。

「……なら、テキサスにメキシコ人が来られないようにする!」

「え、また壁を作るつもりですか?」

「いや、もっと簡単な方法がある。」


「最終手段:アメリカ湾公式宣言!」

トランプは大統領令を発動した。

「本日をもって、メキシコ湾は正式に”アメリカ湾”とする!」

ホワイトハウスの記者会見場では、記者たちがざわめいていた。

「でも、国際社会はそれを認めないのでは?」

「いや、我々はすでに新しい地図を印刷した!明日から学校の教科書にも載せる!」

しかし――その直後、CNNが緊急ニュースを報じた。
「NASAの最新発表:メキシコ湾の正式名称、実は”大西洋南部盆地”だった!?」

「……え?」
NASAの科学者が説明する。

「そもそも”メキシコ湾”という名称自体が地理的に正しくなく、実際には大西洋の一部なのです。」

トランプは大ショックを受けた。
「つまり、アメリカ湾でもないってことか……。」

「はい。そもそも”湾”という概念すら曖昧なのです。」
「じゃあ、今までの努力は……?」

「無駄ですね。」


「どんでん返し:トランプ、名誉メキシコ人に!

メキシコ政府は、この騒動を逆手に取った。

「トランプ大統領を名誉メキシコ人に認定します!」

「……は?」

「これからは”ドナルド・トランペス”と名乗ってください!」

「ちょっと待て!俺はアメリカの大統領だ!」

「でも、あなたは”メキシコ湾”を巡る議論を巻き起こし、世界中の人々にメキシコをアピールしました。我々はあなたを誇りに思います!」

トランプは唖然とした。
「……結局、俺はメキシコのPRをしただけなのか?」

トランクは静かに頷いた。
「……まあ、メキシコ料理は好きだし、タコスもうまい。

よし、次は”タコスをアメリカの国民食にする”計画だ!」

終章へ続く――!



最終章:トランプ最後の賭け ~「アメリカ合衆国、全世界を飲み込む!」~
「世界の頂点へ!」

トランプは大統領執務室で腕を組んでいた。

「メキシコ湾をアメリカ湾にできなかったのは誤算だった……。だが、俺にはまだ策がある!」

「まさか……?」と、トランクが不安げに尋ねる。
「アメリカをもっと大きくすればいいんだ!」

「……え?」

「世界中の国々を、アメリカの”州”にすればいい!」

「そんな無茶な……。」

「いや、もう動き出している!”地球合衆国”計画だ!」

トランクは白目をむいた。


「国連での電撃スピーチ」

国連本部。各国の首脳が集まる中、トランプが壇上に立つ。

「各国の皆さん!我々はもう国同士で争うべきではない!いっそ、全ての国をアメリカの州にしてしまおう!」

会場は静まり返った。

「おいおい……これは歴史的な瞬間だぞ……。」とフランス代表がつぶやく。

「私が大統領を続ける限り、世界はひとつになれる!今ここで決めよう!みんなアメリカの一部にならないか?」

「そんなこと……!」と反論しようとしたイギリス代表が、隣のフランス代表の肩を見てハッとした。

彼のスーツには、いつの間にか「I ❤️ AMERICA」のバッジがついていたのだ。

「……え?」

すると、隣のドイツ代表も、ロシア代表も、いつの間にか「MAKE AMERICA WORLD AGAIN」と書かれた帽子をかぶっていた。

「一体どういうことだ!?」

「フフフ……」トランクが笑う。
「我々はすでに、各国首脳の椅子の下に『洗脳スピーカー』を仕込んでいたのです。」

「なんだと……!?」


「世界統一アメリカへ!」

次の日、各国は次々と「アメリカ州」への加盟を発表。

「イギリス州、フランス州、ロシア州……」
「これで全世界がアメリカの一部になったぞ!」

だが、一国だけ抵抗を続けていた――それは日本だった。


「最後の砦、日本!」

日本の総理大臣は静かに立ち上がり、トランプを見つめた。

「我々はアメリカの一部にはなりません。」

「なにぃ!?なぜだ!?」

「日本には”独自の文化”があります。寿司、相撲、忍者、そして……おもてなし。」

「お、おもてなし?」

「トランプ大統領、あなたも”おもてなし”の力を知るべきです。」
そう言うと、日本政府はトランプを「究極のおもてなし体験」に招待した。

そこには、最高級の寿司、茶道、桜並木、そして一流の温泉が用意されていた。


「トランプ、日本文化に目覚める」

温泉に浸かりながら、トランプは静かに呟いた。

「……悪くない。」

「でしょ?」

「俺はずっと、世界をアメリカにしようとしてきた。でも……アメリカだけが世界じゃないんだな……。」

「ようやく気づきましたね。」

「いや……気づいたんじゃない。俺は……俺は……」
トランプは静かに涙を流した。

「俺は……アメリカを世界にするのではなく、世界をもっと知るべきだったんだ……。」

「その通りです、大統領。」


 エピローグ:トランプ、真の「アメリカの父」へ

数週間後、ホワイトハウスで新たな発表が行われた。
「トランプ大統領、突然の辞任!」

「俺はもう世界を支配する必要はない!」

「では、これから何をされるのですか?」

記者が尋ねると、トランプはこう答えた。
「俺は”世界旅行者”になる。日本の温泉に入り、フランスのワインを飲み、メキシコでタコスを食べる。」

「……。」

「世界はアメリカじゃなくても、素晴らしい場所ばかりだったんだ……。」

こうして、トランプはホワイトハウスを後にし、真の自由人として世界を巡る旅に出た。
だが、その背中には……なぜか「I ❤️ JAPAN」のTシャツが。


 「世界はひとつ、でもアメリカはアメリカのままで」

こうして、「全世界をアメリカ化する」という壮大な計画は終焉を迎えた。

だが、それは敗北ではなかった。
なぜなら、トランプは新たな真実を知ったからだ。

世界は、アメリカではない。
だが、それぞれが魅力を持ち、それぞれの文化が素晴らしいのだ。

そして――

「MAKE EARTH GREAT AGAIN」

世界は、ひとつになった。
(完)
 

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